composer | Beethoven, Ludwig van |
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作曲家 | ベートーヴェン |
解説者 | |
ジャンル | 交響曲 |
品番 | 315 |
版型 | A5 / 136頁 |
発売 | 2009年11月 |
価格 | ¥1200+税 |
シューマンが"eine griechisch schlanke Maid zwischen zwei Nordlandriesen"(2人の北欧の巨人に挟まれたギリシアのほっそりした乙女)と評した、ベートーヴェンの交響曲第4番ロ長調が日譜に登場しました。
2人の巨人こと第3番(英雄、エロイカ)と第5番(運命)に比べるとたしかに知名度では劣る感のあるこの第4番ですが、だからといって曲がつまらないわけではありません。
緊張と深遠さを湛え、新しい時代を切り開いたとさえ思える序奏と、モーツァルトのジュピター交響曲を連想させる音型に続く、軽快で風通しの良い第1主題、第2主題で繰り広げられる1小節ずれたカノン、奥行きを自在に変えていくオーケストレーションの立体感など、第1楽章を1度聴いてみるだけでも、この曲を魅力的に感じる人は多いはず。
その後に続く楽章も、オーケストラが呼吸しているかのような自在で多様な変化が目白押しで、耳を飽きさせません。実際、音楽家の中にも最も好きなベートーヴェンの交響曲としてこの第4番を挙げる人がいるくらいです。
少しマイナーだけど魅力的な存在のこの第4番、楽譜を見て音符を追ってみると、別の面白さが浮かび上がってくるかも知れませんよ。
◎本書解説文:石田一志