マーラーの交響曲5番の第4楽章“アダージェット”が日譜ラインナップに加わりました!
マーラーの作品の中でもひときわ高い人気を誇るこの楽章は通常のクラシックのコンサートやCDだけではなく、全世界で500万枚以上売れたと言われる記念碑的なCD「アダージョ・カラヤン」のタイトル曲として、あるいはヴィスコンティの映画「ヴェニスに死す」をはじめ国内外の数々の映画・ドラマでも効果的に使われています。マーラーの曲だとは知らないうちに、この曲を聴いたことのある人も多いかもしれませんね。
冒頭の静謐なメロディ、後半の激情を秘めた頂点、全編にわたる、息の長い旋律の美しさはたしかに映像との相性が良いのかもしれません。ハープと弦楽器のみ、というシンプルな編成で書かれているとは信じがたいほどの表現の幅広さは、作曲家マーラーの筆力の確かさを印象づけています。
これまで存在した他社版のアダージェットの楽譜は、250ページにも及ぶ分厚い「交響曲5番」の中の1つの楽章として紹介されていたためにページ数を抑える必要があり、10分を超える音楽がわずか5ページに凝縮された、音符間の狭いレイアウトが殆どでした。
それに対し、第4楽章のみを抜粋した今回の日譜版は、アダージェットのテンポ感にふさわしく8ページのゆったりめのレイアウトを施し、より自然な視線の動きに対応できるように作られています。店頭で見比べていただければ違いがご納得いただけるでしょう。
さらに、ピアノ版(編曲:堀内貴晃)の楽譜も併録。大好きな曲をもっと身近に楽しみたい、との要望にもお応えします。単なる音符の置き換えではなく、ピアノで弾く場合の効果も考慮された編曲となっています。
楽譜中で使用されているドイツ語の日本語対訳一覧も収録してあります。解説は曲の魅力の秘密をわかりやすい文章で紹介してくれることに定評のある濱田滋郎先生。これだけで「アダージェット」の全てが揃う1冊です。
composer | Mahler, Gustav |
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作曲家 | マーラー |
解説者 | 西尾洋 |
ジャンル | |
品番 | 373 |
版型 | A5 / 169頁 |
発売 | 2017年11月 |
価格 | ¥1800+税 |
マーラーの交響曲といえば、多くがその副題とともに知られています。交響曲第1番〈巨人〉もそんな作品のひとつで、この副題はジャン・パウルの小説の題名から取られました。当初は交響詩として発表されたこの楽曲ですが、1896年に交響曲として改訂された際、実はこの副題はマーラー自身の手によって取り消されています。それにも関わらず今日でもこの交響曲が〈巨人〉として知られるのは、やはり、若々しく雄大な楽曲の性格と、終楽章では9本ものトランペットが登場するような巨大な編成が、どこかで〈巨人〉の言葉を連想させるからなのかもしれません。
composer | Mahler, Gustav |
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作曲家 | マーラー |
解説者 | 西尾洋 |
ジャンル | 交響曲 |
品番 | 391 |
版型 | A5 / 207頁 |
発売 | 2019年12月 |
価格 | ¥2000+税 |
マーラーの〈交響曲第2番〉は、1888年から’94年にかけて作曲され、1895年に作曲者指揮ベルリン・フィルの演奏により初演されました。〈復活〉の標題は、マーラー自身が付けたものではなく、第5楽章で歌われるクロプシュトックの詩に由来します。第1楽章で生と死を問い、第2~4楽章の回想、苦悩、希望を経て、第5楽章で「生きるために死ぬ」と歌う永遠の主題が、合唱と大編成の管弦楽によって壮大に奏されます。マーラーが生涯を通じて追求した「生と死」についての思索が織り込まれた大作です。
composer | Mahler, Gustav |
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作曲家 | マーラー |
解説者 | 青島広志 |
ジャンル | 交響曲 |
品番 | 329 |
版型 | A5 / 284頁 |
発売 | 2012年10月 |
価格 | ¥2200+税 |
この曲は、マーラーの交響曲の中でも人気が高い作品です。とりわけハープと弦楽による第4楽章アダージェットは、ルキノ・ヴィスコンティ監督映画〈ベニスに死す〉(1971)の中で使用されてからというもの、その耽美的な旋律が多くの人々をとらえ、テレビCMやBGMとしても広く使われるようになりました。ベートーヴェンを敬愛していたマーラーの「5番」ということもあり、「運命」の影響もうかがえます。
composer | Mahler, Gustav |
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作曲家 | マーラー |
解説者 | 西尾洋 |
ジャンル | 交響曲 |
品番 | 516 |
版型 | A5 / 257頁 |
発売 | 2024年3月 |
価格 | ¥2700+税 |
マーラーの〈交響曲第7番〉は、彼が夏を過ごしたヴェルター湖畔の自然からインスピレーションを得て作曲されたと言われます。5つの楽章から成り、第3楽章スケルツォを中心に、「夜曲」と名付けられた第2楽章と第4楽章、その両端に第1楽章と第5楽章が対称的に配置されていますが、一貫した標題はありません。テナーホルン、マンドリン、ギター、銅鑼、カウベルなど様々な楽器を駆使し、多彩な演奏法も採り入れた円熟期の作品です。