composer | Sibelius, Jean |
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作曲家 | シベリウス |
解説者 | 溝部国光 |
ジャンル | 管弦楽曲 |
品番 | 110 |
版型 | A5 / 16頁 |
発売 | 2008年1月 |
価格 | ¥400+税 |
シベリウスは、フィンランディアをはじめとして多くの交響詩を作曲しています。「交響詩」とはオーケストラで描く物語の事。具体的なストーリーやイメージに基づいて曲が組み立てられ、それぞれの場面描写が音楽で奏でられていくので、脳裏に映像が浮かぶかのように音楽の移りかわりを楽しむことが出来ます。
シベリウスは交響詩の素材をフィンランドの民族叙事詩である「カレワラ」に求め、4つの交響詩からなる「レンミンカイネン組曲(4つの伝説曲)」を作曲しました。
その中でも特に人気が高く、独立して演奏される機会が多いのがこの「トゥオネラの白鳥」で、黄泉の国トゥオネラに流れる黒い川で悲しい鳴き声を上げる白鳥の様子を描いていると言われます。この世のものとは思えない神秘的な美しさを湛えたこの曲は、他の大作曲家とは違った独特の世界観を持つシベリウスだからこそ書けた作品だと言えるでしょう。特に複雑な事をするわけでもなく、むしろシンプルな音使いで書かれた作品ですが、あやうげな美しさを持った音楽が、聴く人を強く惹きつけます。
フィンランディアのように強いメッセージ性をもった音楽だけがシベリウスの音楽ではありません。シベリウスの別の顔を知るにもうってつけの1曲。濱田滋郎氏の解説も、曲の理解を助けてくれる充実の筆致です。この楽譜と一緒に、曲の世界に触れてみませんか。