マーラーの交響曲5番の第4楽章“アダージェット”が日譜ラインナップに加わりました!
マーラーの作品の中でもひときわ高い人気を誇るこの楽章は通常のクラシックのコンサートやCDだけではなく、全世界で500万枚以上売れたと言われる記念碑的なCD「アダージョ・カラヤン」のタイトル曲として、あるいはヴィスコンティの映画「ヴェニスに死す」をはじめ国内外の数々の映画・ドラマでも効果的に使われています。マーラーの曲だとは知らないうちに、この曲を聴いたことのある人も多いかもしれませんね。
冒頭の静謐なメロディ、後半の激情を秘めた頂点、全編にわたる、息の長い旋律の美しさはたしかに映像との相性が良いのかもしれません。ハープと弦楽器のみ、というシンプルな編成で書かれているとは信じがたいほどの表現の幅広さは、作曲家マーラーの筆力の確かさを印象づけています。
これまで存在した他社版のアダージェットの楽譜は、250ページにも及ぶ分厚い「交響曲5番」の中の1つの楽章として紹介されていたためにページ数を抑える必要があり、10分を超える音楽がわずか5ページに凝縮された、音符間の狭いレイアウトが殆どでした。
それに対し、第4楽章のみを抜粋した今回の日譜版は、アダージェットのテンポ感にふさわしく8ページのゆったりめのレイアウトを施し、より自然な視線の動きに対応できるように作られています。店頭で見比べていただければ違いがご納得いただけるでしょう。
さらに、ピアノ版(編曲:堀内貴晃)の楽譜も併録。大好きな曲をもっと身近に楽しみたい、との要望にもお応えします。単なる音符の置き換えではなく、ピアノで弾く場合の効果も考慮された編曲となっています。
楽譜中で使用されているドイツ語の日本語対訳一覧も収録してあります。解説は曲の魅力の秘密をわかりやすい文章で紹介してくれることに定評のある濱田滋郎先生。これだけで「アダージェット」の全てが揃う1冊です。