「ラルゴ」や「樹木の陰で」といったタイトルの方に馴染みのある方も多いと思います。ゆったりとして暖かい曲調と気高さを合わせ持ったオンブラ・マイ・フは、誰でも聴いた事のあるような人気の1曲。だけど実はこの曲はヘンデルのオペラ「セルセ」の中の1曲だった事をご存知でしたか?
オペラの主人公であるペルシャの王様セルセが、プラタナスの木に向かって熱く歌っている歌なんです。
格調高いこの曲は、実は「喜劇の中に設定された大真面目な主人公の歌」。だから、真面目で厳かであるほどギャップが笑いを生んでいく・・・と言うシカケのある歌なんです。ヘンデルは高度な?笑いのセンスの持ち主でもあったんですね。
それはさておき人気のこの曲。数多くの編曲版楽譜はありましたが、オリジナル編成の楽譜は入手が難しかったのです。ニチフ版のが登場したこの機会に、オリジナルのオーケストラ版も見てみたくありませんか?